
身長が伸びるためには何が必要か
身長を伸ばすためには、何が必要なのでしょうか。
子供の身長を伸ばすためには、もちろん十分な栄養の食事や睡眠、
運動などが必要ですが、体の中で身長を伸ばす働きをするものが
あります。
それは、「成長ホルモン」と言われているものです。
成長ホルモンは、脳下垂体前葉のGH分泌細胞という所から分泌される
ホルモンです。
成長ホルモンは、背を伸ばすために骨を伸ばす効果と筋肉などを育成する
効果があり、これにより成長期の子供は大きくなります。
また、それだけでなく体の新陳代謝を促す作用があるので、大人になり、
高齢者となっても成長ホルモンは、必要なホルモンなのです。
成長ホルモンが十分に分泌されないと、太りやすくなる、肌が老化する、
疲れがとれない、病気になりやすい、などの症状となっていしまいます。
成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されます。
だから、十分な睡眠が背を伸ばすには必要なのです。
成長ホルモンの分泌が少ないと、身長が伸びず低身長という病気になって
しまいます。
また、低身長の子供に成長ホルモンを投薬すると、身長が伸びる効果が
あります。
成長ホルモンの不足の影響
成長ホルモンが不足すると、体にどんな影響があるのでしょうか。
成長ホルモンが不足すると、体に以下の影響があります。
①身長が伸びにくい
成長期の子供の骨の発育、筋肉の発育に大きな役割を行っているので、不足すると
背が伸びにくくなります。
②疲れが取れない
運動や労働などの一日の疲れを取る役割を行っていますが、足らないと疲れが
取れにくくなります。
怪我などで疲労、破損した体組織を修復し、再生する働きもあります。
③病気への抵抗力が下がる
疲れが取れないのと同様に、体の抵抗力、免疫力が下がるので病気にかかりやすく
なります。
④肌の老化
成長ホルモンは、体の組織の修復、再生を行いますが、これは新陳代謝という作用に
あてはまります。
よって、新陳代謝がうまくできていないと、肌の老廃物を代謝できないので、肌の
老化が進んでしまいます。
⑤脂肪が増加し、太りやすくなる
新陳代謝の作用として、体内の脂肪を分解する効果がありますが、うまく働かないと
脂肪を分解できず、肥満になってしまいます。
成長ホルモンの分泌を増やすホルモン
成長ホルモンの分泌を増やすホルモンがあります。
成長ホルモンの分泌を増やす効果があり、かつ体内で大きな役割を果たしているホルモン
です。
①メラトニン
睡眠を促す睡眠ホルモンです。 成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるので、深い睡眠
を促すメラトニンが欠かせません。
睡眠以外にも生活リズムの調整や、美肌、健康維持、病気の予防などにも関わっています。
不足すると不眠症になることもあります。
②セロトニン
精神面に大きな影響を与える神経伝達物質で、一日のやる気を出させるホルモンです。
ストレスを減らす働きがあり、背を伸ばすために大切なカルシウムやビタミンをストレス
解消のために使われるのを防ぎます。
また、ストレスが無くなるので、快適な睡眠が得られ成長ホルモンの分泌を促します。
③甲状腺ホルモン
甲状腺から分泌され、体の細胞に作用して細胞の代謝率を上昇させる働きをもつ、成長ホルモン
と同様に成長に欠かせないホルモンです。
④アルギニン
ホルモンではありませんが、アミノ酸の一種です。
成長ホルモンの分泌を増やす効果があるとして、身長を伸ばすサプリメントなどに多く
使用されています。
成長ホルモンの投薬
成長ホルモンを投薬すると背が伸びるのでしょうか。
低身長となる原因の病気で、成長ホルモンを投薬すると、背が伸びる効果があるものが
あります。
①子供の成長を促すホルモンの分泌不足
子供の成長を促すホルモン(成長ホルモンや甲状腺ホルモン)の分泌量の不足などが
原因となる病気です。
成長ホルモンは、脳の下垂体から指示されて分泌が行われます。 その指示が正しく
出されていないという病気です。 脳自体に障害がある場合があります。
甲状腺ホルモンは、のどの奥の甲状腺から分泌されますが、甲状腺の機能が
悪いことが考えられます。
②染色体の異常
ターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群と呼ばれる、生まれつき染色体に異常が
あるという病気です。
③骨や軟骨の異常
骨や軟骨が正しく成長されないという異常の病気です。
「軟骨異栄養症」などがあります。
④生まれつき小さく、成長が悪い
生まれつき小さい身長、体重で生まれて、その後大きく成長できていないという状態です。
これらの病気の場合に、成長ホルモンを投薬すると、背が伸びる効果があります。
成長ホルモンはタンパク質でできているので、飲み薬として飲むと、胃でアミノ酸に
分解されてしまい、効果が得られません。
このため、成長ホルモン治療では注射器を使います。
また、成長ホルモンは1日で消えてしまうので、まとめて打つことができません。
よって、成長ホルモンを投薬する際は、毎日自宅で、注射器でおしりやふとももなどに
親が打つこととなります。
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