
成長曲線とは
成長曲線とは、どのようなもので、どのように利用するのでしょうか。
成長曲線とは、0歳から18歳までの子供の身長と体重を記録したグラフ
です。
母子手帳にも記載されています。
成長曲線の種類は2種類あります。
横断的標準成長曲線と縦断的標準成長曲線です。
横断的標準成長曲線とは、年度別にそれぞれの年齢の子供の身長を調べて
グラフにしたものです。
文部科学省が調査した、「学校保健統計調査報告書」と「乳幼児身体発育調査報告書」
のデータを元に作成しています。 対象年齢は、0歳から17歳6か月です。
現在の横断的標準成長曲線は、2000年度(平成12年)に調査した結果が
示されています。
母子手帳など多くで参考資料とするのは、この横断的標準成長曲線です。
縦断的標準成長曲線とは、何人かの特定のグループを決めて、グループの各人に
ついて乳幼児期から成人するまで定期的に身長を測定したデータを基に作成したもの
です。
一人の成長記録としての経過を見て、大幅に伸びる思春期の記録を参照するには
適していると言われますが、横断的標準成長曲線とデータにあまり大差がありません。
縦断的標準成長曲線には、標準成長率曲線もいっしょに記されています。
標準成長率曲線とは、縦断的標準成長曲線で調査した子供の成長記録データから
1年間で何センチ伸びたかを示すグラフです。
1年間の成長率がわかります。
自分の子供も同様に身長を記録し、成長率を作成することにより、成長率の極端な低下、
思春期の急速な身長の伸び(成長スパート)の欠如などを判断することができます。
成長曲線は、身長、体重とも5本のグラフ線が書かれています。
それぞれのグラフ線には、+2.0SD、+1.0SD、平均値、-1.0SD、
-2.0SDという名前で示されています。
SDとは、統計的な評価を表すもので、自分の子供の身長が-2.0SDより低い値
にあると、低身長を心配した方がよいでしょう。
成長曲線のSD値とは
成長曲線で書かれているSD値のグラフとは、どのような意味があるのでしょうか。
SD(Standard Deviation標準偏差)とは、パーセンタイルという
統計学で使用する単位です。
これは100人の中での評価を示すもので、-2.0SDだと100人中下から2番の
値を示しています。
同年齢の子供の身長は、全体の95%が+2.0SDからー2.0SDの範囲に含まれて
います。
このー2.0SDの値より身長が低い場合は、低身長の疑いがあります。
2000年(平成12年)の調査では、-2.0SDの身長は以下の値となっています。
年齢 男子(cm) 女子(cm)
1歳 69.7 67.7
2歳 79.5 79.0
3歳 86.1 84.4
4歳 92.3 91.1
5歳 97.9 97.9
6歳 103.7 103.5
7歳 109.5 108.8
8歳 114.7 113.9
9歳 119.7 118.8
10歳 124.5 123.9
11歳 128.9 130.2
12歳 133.9 137.0
13歳 140.7 142.3
14歳 148.6 145.3
15歳 154.7 146.5
16歳 157.7 147.1
17歳 158.8 147.4
しかし、身長が低い子供がある時から急に伸びてくることは多くあります。
特に男の子は、14歳から17歳の思春期が一番の伸び盛りで、20cmくらい
伸びる子も多くいます。
自分の子供の成長を記録し、成長曲線を付けていれば、伸び幅も判断することが
できます。
成長曲線でのグラフの傾きをチェックすれば、伸び幅の異常も判断できます。
成長曲線のグラフの傾きは、身長の伸び幅となるので、傾きがあまり無い場合は
注意が必要です。
成長曲線を付けましょう
成長曲線を記録すると役立つことが多くあります。
自分の子供の身長と体重を定期的に記録して、成長曲線のグラフを作成して
おきましょう。
自分の子供が低身長かどうか、肥満、痩せすぎかどうかなどを一般の子供との
差で確認することができます。
もし、低身長の疑いが考えられ、医療機関へ診察してもらう際にも成長記録
があると、診断に非常に役立ちます。
低身長を専門に見ている医療科は、「小児内分泌科」や「内分泌内科」という科に
なります。
それぞれ科には専門の医師がいますが、中には、一般の小児科や整形外科にも、
低身長の診断ができる医師がいる場合があります。
よって、まずはいつも行っている、かかりつけの小児科で相談してみるのがよい
でしょう。
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