
子供が低身長である判断
子供が低身長かもしれないという判断は。どのような場合に行えば
よいのでしょうか。
自分の子供が、同年齢の子供と比べて大幅に身長が低い場合、低身長
という病気の疑いがあります。
しかし、低いと言ってもどの程度低いと低身長かもしれないという判断を
行えばよいのでしょうか。
低身長の判断は、SDスコアという数値で判断します。
SD(Standard Deviation標準偏差)とは、パーセンタイルという
統計学で使用する単位です。
SD値は平均値からどれだけ離れているかという「幅」を示します。
実質的には100人の中での評価を示すもので、-2.0SDだと100人中下から
2番の値を示しています。
同年齢の子供の身長は、全体の95%が+2.0SDからー2.0SDの範囲に含まれて
います。
このー2.0SDの値より身長が低い場合は、低身長の疑いがあります。
SDスコアの計算式
SDスコアを算出する計算式があります。
低身長の判断基準となるSDスコアを計算する方法です。
SDスコア = (身長の実測値 ー 平均身長) / 標準偏差
性別と年齢別による、平均身長と標準偏差値、-2.0SDとなる身長を
表にします。
平成12年度調査結果です。
男子
年齢 平均身長(cm) 標準偏差値 -2.0SDの身長(cm)
1歳 75.0 2.6 69.8
2歳 85.4 3.0 79.4
3歳 93.3 3.5 86.4
4歳 100.2 3.9 92.5
5歳 106.7 4.3 98.1
6歳 113.3 4.8 103.8
7歳 119.6 5.1 109.5
8歳 125.3 5.3 114.7
9歳 130.9 5.6 119.7
10歳 136.4 5.9 124.5
11歳 142.2 6.6 128.9
12歳 149.1 7.6 133.9
13歳 156.5 7.9 140.7
14歳 162.8 7.1 148.6
15歳 167.1 6.2 154.7
16歳 169.4 5.8 157.7
17歳 170.5 5.8 158.8
女子
年齢 平均身長(cm) 標準偏差値 -2.0SDの身長(cm)
1歳 73.4 2.5 68.4
2歳 84.3 2.9 83.8
3歳 92.2 3.4 85.5
4歳 99.5 3.8 91.9
5歳 106.2 4.2 97.7
6歳 112.7 4.6 103.4
7歳 118.8 5.0 108.8
8歳 124.6 5.4 113.9
9歳 130.5 5.9 118.8
10歳 136.9 6.5 123.9
11歳 143.7 6.7 130.2
12歳 149.6 6.3 137.0
13歳 153.6 5.7 142.3
14歳 156.0 5.4 145.3
15歳 157.1 5.3 146.5
16歳 157.5 5.2 147.1
17歳 157.9 5.2 147.4
例えば10歳の男子で、現在の身長が123cmだった場合、
(123-136.4)/5.6=-2.39 となります。
SDスコアがー2.39となり、低身長の判断であるー2.0を超えるので
低身長の疑いが濃いということになります。
計算式でも求められますが、成長曲線というグラフでー2.0SDの値が
記されています。
成長曲線での低身長の判断
子供の身長が低すぎるかどうかを判断できる成長曲線とは。
子供の身長を同年齢の子供と比べるためのグラフがあります。
成長曲線というグラフで、母子手帳にも記載されています。
成長曲線とは、厚生労働省が10年ごとに全国の子供の身長や体重を集計して
男女別に成長推移をグラフとして記したものです。
横軸を年齢、縦軸を身長や体重として作成しています。
一般の子供の成長曲線は、5本~7本の線が書かれています。
これは、平均値のグラフと+2.0SD、+1.0SD、-1.0SD、-2.0SD
の5本で、+3.0SDやー3.0SDのグラフが書かれているものもあります。
この成長曲線のー2.0SDのグラフと子供の身長の位置を比べて判断することが
できます。
前項の計算式で計算するしなくても判断できるのです。
また成長曲線では、伸び幅というのもわかります。
グラフの傾きが成長の幅となります。
自分の子供の成長曲線が、傾きがあまりなく、身長の値もー2.0SDより下である場合は、
医療機関へ相談しに行くのがよいでしょう。
医療機関での診断でも、成長曲線を記録しておけば、大きな参考材料となります。
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