
子供が周りの子より背が低いと感じたら
自分の子供が周りの子より小さいと感じた時に、何を基準として判断
すればよいのでしょうか。
自分の子供が、同年齢の子供より背が低いと感じた時、低身長という
病気が疑われます。
しかし、どれくらいを背が低いと判断するのでしょうか。
子供の身長を同年齢の子供と比べるためのグラフがあります。
成長曲線というグラフで、母子手帳にも記載されています。
成長曲線とは、厚生労働省が10年ごとに全国の子供の身長や体重を集計して
男女別に成長推移をグラフとして記したものです。
横軸を年齢、縦軸を身長や体重として作成しています。
一般の子供の成長曲線は、5本~7本の線が書かれています。
これは、平均値のグラフと+2.0SD、+1.0SD、-1.0SD、-2.0SD
の5本で、+3.0SDやー3.0SDのグラフが書かれているものもあります。
この-2.0SDのグラフより下に自分の子供の身長がある場合には、低身長の
疑いを持つ必要があります。
これだけで判断してはいけませんが、最初に判断する基準となります。
SD値とは
成長曲線で書かれているSD値のグラフとは、どのようなものなのでしょうか。
SD(Standard Deviation標準偏差)とは、パーセンタイルという
統計学で使用する単位です。
これは100人の中での評価を示すもので、-2.0SDだと100人中下から2番の
値を示しています。
同年齢の子供の身長は、全体の95%が+2.0SDからー2.0SDの範囲に含まれて
います。
このー2.0SDの値より身長が低い場合は、低身長の疑いがあります。
2000年の調査からでは、-2.0SDの身長は以下の値となっています。
年齢 男子(cm) 女子(cm)
1歳 69.7 67.7
2歳 79.5 79.0
3歳 86.1 84.4
4歳 92.3 91.1
5歳 97.9 97.9
6歳 103.7 103.5
7歳 109.5 108.8
8歳 114.7 113.9
9歳 119.7 118.8
10歳 124.5 123.9
11歳 128.9 130.2
12歳 133.9 137.0
13歳 140.7 142.3
14歳 148.6 145.3
15歳 154.7 146.5
16歳 157.7 147.1
17歳 158.8 147.4
しかし、身長が低い子供がある時から急に伸びてくることは多くあります。
成長曲線から判断することは、現在の身長からだけでなく、グラフの傾きにも
あります。
成長曲線のグラフの傾きとは、身長の伸び幅となります。
身長の伸び幅を判断する
子供の身長の伸び幅を判断する基準とは何でしょうか。
子供の身長の伸び幅は、ある期間でどれだけ身長が伸びたかということです。
そのためには、自分の子供の成長曲線を小さい時から作成することが
大切となります。
伸び幅を知るには、半年から1年間測り続けて、それをグラフにすることです。
その成長曲線のグラフの傾きが、一般的な子供の成長曲線の傾きとあまりにも
異なる場合は、低身長の疑いがあります。
次に判断する基準は、1年間の伸びの幅となります。(2000年度調査分)
伸びの幅が少なすぎる場合には、問題があると言えます。
以下の数値より伸び幅が少ない場合は、注意が必要です。
年齢 男子(cm) 女子(cm)
1~2 8.9 8.8
2~3 7.0 6.8
3~4 6.0 6.0
4~5 5.4 5.6
5~6 4.9 5.2
6~7 4.5 4.9
7~8 4.5 4.4
8~9 4.3 4.1
9~10 4.0 4.4
10~11 4.0 5.9
11~12 4.5 6.1
12~13 6.9 2.9
13~14 6.9 1.1
14~15 3.3 0.4
15~16 1.4 ―
前項のー2.0SDより低い身長で、かつ伸び幅も少ない場合は、低身長である
疑いがあるので、医療機関への診断をお勧めします。
どこの医療機関へ診断してもらえばよいか
低身長を診断する専門医は何科の医師なのでしょう。
低身長の主な原因としては、成長ホルモンの分泌に問題がある場合が多いと
されています。
それを専門に見ている医療科は、「小児内分泌科」や「内分泌内科」という科に
なります。
その科には専門の医師がいますが、中には、一般の小児科や整形外科にも、低身長の
診断ができる医師がいる場合があります。
よって、まずはいつも行っている、かかりつけの小児科で相談してみるのがよい
でしょう。
もし、他の医療機関へ行かないといけない場合は、紹介状を書いてもらえます。
インターネットで病院を検索する場合は、「小児低身長症外来」、「思春期外来」、
「発達障害外来」などのキーワードで専門外来を探してみるとよいでしょう。
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