低身長の原因は?
低身長となる原因は何でしょうか。
子供の身長が、同学年の他の子供と比べて低すぎると感じた場合に
低身長と呼ばれる病気かもしれないと疑うこともあるでしょう。
子供の身長を記録したグラフを成長曲線と言います。
このグラフから低身長かどうかを診断することが最初の方法です。
同年齢の平均値の成長曲線と比べて、どれだけ差があるかがポイント
となります。
この評価にはSD値というのが使われます。
SDとは統計学で標準偏差として使われる言葉で、子どもの身長の成長のバラツキ
の程度を表しています。
SD値が+2.0SDから-2.0SDの範囲だと問題が無いと言われています。
-2SDより以下の数値であると、低身長の問題が疑われます。
-2.0SDとは、同年齢の子供100人中低い方から2番目くらいの値を示して
います。
ただ、これだけでは低身長だと断定することはできません。
低身長となる原因には、病気である場合とそうでない場合があるのです。
低身長となる病気
低身長となる病気にはどのような物があるのでしょうか。
低身長となる、体の病気には以下のものがあります。
①子供の成長を促すホルモンの異常
子供の成長を促すホルモン(成長ホルモンや甲状腺ホルモン)の不足などが
原因となる病気です。
成長ホルモンは、脳の下垂体から指示されて分泌が行われます。 その指示
が正しく出されていないという病気です。
甲状腺ホルモンは、のどの奥の甲状腺から分泌されますが、甲状腺の機能が
悪いことが考えられます。
②染色体の異常
ターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群と呼ばれる、生まれつき染色体に
異常がある場合の病気です。
③骨や軟骨の異常
骨や軟骨の成長に異常がみられる病気です。
「軟骨異栄養症」などがあります。
④内蔵の病気
心臓や腎臓、肝臓、消化管などの臓器に異常がある場合です。
⑤生まれつき小さく、成長が悪い
生まれつき小さい身長、体重で生まれて、その後大きく成長していない場合
です。
「低出生体重性低身長症」と呼ばれています。
3歳くらいまでに、標準に近い大きさに成長する子供も多いですが、大きく
成長しない子供も中にはいます。
病気ではなく低身長になる原因
体の病気が原因ではなく、低身長になる原因です。
前項の体に異常がある病気の原因で、低身長となる場合以外の
原因です。
医学的には「特発性低身長」と呼ばれています。
①遺伝的な原因
両親のどちらかの背が低いなどの遺伝的な原因による場合です。
②体質的な原因
その子供の成長がゆっくりとしているなどの体質的な原因による場合
です。
思春期が遅いなどの体質の場合に見られることが多いようです。
思春期を迎えると、信じられないほど速い速度で伸びる子供もいます。
逆に思春期が早くきすぎた子供は、成長が急に伸びなくなってしまう
ようです。
③精神的な原因
特別な原因は見当たらないのに、身長が伸びない場合に、精神的な原因が
考えられます。
生活環境やストレスなどが原因により、体の成長に悪影響があり低身長と
なる結果になっているようです。
④3歳までの栄養不足
前項の病気が原因で低身長となるもので、生まれつき小さい子供の場合に
十分な栄養の摂取が不足していることが原因によるものです。
普通の大きさで生まれた子供でも、3歳までに十分な栄養をとらないと
成長に影響がでてしまいます。
母親がダイエットなどで十分に栄養を取っていないために、母乳に栄養が
足りず、赤ちゃんの成長に影響が出るという場合もあります。
これらのように子供が大きく育たない理由には、色々なことが考えられます。
子供に異常を感じた場合は、医療機関への早めの相談をお勧めします。
そのためにも成長記録をつけ、成長曲線のグラフを作成してチェックする
ことが大切です。
身長が伸びるための要素
身長が伸びるために必要な要素とは。
身長を伸ばすためには、5つの要素があると言われています。
①遺伝子による影響
両親が身長が高ければ、その子供も大きく育ちます。
②睡眠時間による影響
成長期に成長ホルモンが一番分泌されるのが、睡眠時間中です。
そのため、睡眠時間が短いと身長を伸ばすための成長ホルモンが多く分泌
されなくなるので、睡眠を十分とるのが大切です。
③運動による影響
適度な運動をすることで、食欲も増し、体の成長が抑制されます。
④生活環境による影響
ストレスのない生活環境が大切です。
⑤十分な栄養の摂取
特に身長を伸ばすための栄養素には、次のものがあります。
カルシウム、タンパク質、亜鉛、ビタミンD、マグネシウムの5つの栄養素
に効果があると言われています。
成長期には、これらの栄養素を含んだ食物を十分に取るようにしましょう。
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